何をやってもうまく噛み合わない時がある。
頑張っていないわけじゃないのに、むしろちゃんと順調に進んでいると思っていたのに
ある日突然、流れが途切れてしまうこと。
「なんで今?」 そう思うような出来事が起きる。
人生がうまくいかない時、それは自分自身の努力不足なのか、単にタイミングの問題なのか
それとも、自分ではどうにもできない何かがあるのか?
その答えはその時には分からない。
私は以前、海外で働いていた。
生活も快適だし、仕事も順調。
このままずっとここでやっていくのかもしれないな。
そんなふうに思い始めていた頃だった。
コロナが広がって、状況は一変した。
そしてリストラされた。
正直、その時は憤るばかりだった。
なぜ今なのか。なぜ自分なのか。
そもそも、この出来事に意味なんてあるのか。
ただ、積み上げてきたものが崩れたという感覚だけが強かった。
でも、あとから考えると、少し違う見え方もできる。
もし、あのまま働き続けていたとしても、
コロナの中で異国にいること自体が、かなり怖かったと思う。
価値観の違い、医療の不安、先の見えなさ。
続けられたかどうかは正直分からない。
それに、もしコロナがなかったら
日本に帰るという選択も、簡単ではなかった。
私は現地で外国人と再婚していたから
いずれ自国か彼の国かを選ばなければならなかった。
タイミングを間違えれば
日本に帰ること自体が難しくなっていた可能性もある。
あの時の帰国は自分の意思で選び取ったというよりも
流れに押し出されたようなものだった。
でも、その結果として今の生活がある。
日本に戻り夫を呼ぶこともできた。
あの出来事が「良かった」と言うつもりはもちろん全くない。
当時はただ混乱していたし、帰国した後かなり深く落ち込んだし
起きてほしくなかった出来事。
でも、今は「意味があったのかもしれない」と思えるようになった。
出来事の意味はその瞬間には見えないことが多いし
むしろ見えないまま進むしかない時間のほうが長い。
でも、あとから振り返ったときに
点だったものが、線としてつながることがある。
人生がうまくいかない時、無理に前向きに考える必要はないと思う。
意味を見つけようとしなくてもいい。
ただ、「まだ途中なのかもしれない」
と思える余白だけ残しておくと少し気が楽になる。
あの時の出来事もその一つだったのかもしれないとあらためて今思う。

