父の介護 ― なんだか寂しいね

父の在宅介護を始めてから2か月くらい経っていたと思う。
施設に預けるという決断はまだできなかったけれど
ショートステイならと、なんとか妥協することができた。

2か月ぶりに初めて私はちゃんと眠ることができた。

その翌朝、娘と交わした会話をよく覚えている。

「なんだか寂しいね」

毎晩30分おきに起こされ、日中も常に声掛けしなくてはならない。
私は疲れ切っていたはずだった。
それなのにそんな言葉が出てきたのが自分でも意外だった。

自分にもそんな感情が残っていた。
父に対して。

今思えば、それはただの罪悪感から出てきたものではなくて
素直に、父がいないことを寂しいと感じることができていた。

この感情があったからこそ、後にグループホームに預ける決断もできたのだと思う。

父と離れることと、父を大切に思うことは別のことだった。
むしろ、少し離れることができたから、少し父に優しくなれたのだと思う。

あの「寂しい」は父を手放すために必要な感情だったのだな。きっと。

おつかれさま ー 父の記録
Maktub — 必要な時に必要な事が起きる

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