点がつながり始める ー 小さな偶然の連鎖

まず、寿司を生業としている職人の皆さんには申し訳ないと思う。
私は、寿司が好きで一生打ち込もうと思って始めたわけではない。
あくまで、海外就職するための武器として選んだ道だったということ。

寿司学校のことを思いついてからすぐにその学校に電話したところ
ちょうど今、次の月に始まるクラスにキャンセルが出たという。
(ここでもラッキーが続く。)
しかもそのクラスは外国人と日本人が半々のクラスだった。
もちろんその場で入学を申し込んだ。英会話のトレーニングにもなるし。

年が明けて1月。
朝8時からの授業に合わせて、2か月間の通学が始まった。

学校では、学生のころとはまったく違う空気を感じた。
みんなの目の色、姿勢が違う。
高いお金を払って学びに来ているし、技術を身につけようとする真剣さがあふれていた。

その雰囲気が、私はとにかく楽しくて嬉しかった。

私と似たような理由で、技術を習得しようとする日本人生徒も多かった。
また、外国人の生徒の多くは、すでに海外でシェフとして働いている人たちだった。
すでに寿司シェフだけれど日本で学びなおしたい人。料理のバリエーションを増やしたい人。

その中に一人、ギリシャのある島のリゾートホテルで
エグゼクティブシェフ(総料理長)をしている人がいた。

「海外で働きたいんだって?
僕は毎年キャンペーンで〇〇国の△△ホテルに行くんだけど、間違いなくチャンスあるよ!」

そんな話をしてくれた。

その国は中東にあり、五つ星ホテルが他国出身の従業員を雇い、
送迎や住まいなど生活の面倒もすべて見てくれるという。
私の中の中東のイメージとは違い、治安もとてもよく心配はいらないとも聞いた。

そのときの私は、「中東?そうなんだ〜」そのくらいの気持ちだったと思う。

あの日、すべてがつながるまでは。

Maktub――必要な時に必要なことが起きる

タイトルとURLをコピーしました