あの日の一本の電話 ー 海外就職が現実になり始めた瞬間

寿司学校には海外からの求人もあったけれど私が行きたかった国ではなかった。
まずは国内で働いてみてからと考え
卒業後の3月から地元のすし屋でアルバイトを始めた。

同時にLinkedInにも寿司シェフとして登録し、海外の求人状況をリサーチしていた。

6月のある日の朝、一通のメッセージが届いた。
ある国の有名五つ星ホテルで働いている日本人シェフからだった。

「できれば詳しく直接ご説明したい。こちらからお電話するのでご都合のよい時間を教えてください。」

メッセージにはホテルの署名も入っていたし、詐欺などではないと確信したため
当日アルバイト後の日本時間の深夜12時を指定した。

時間きっかりに国際電話がかかってきた。

寿司学校を出て経験が少ないことも承知している。
現場でスキルアップしていただければ大丈夫。
職場の環境や条件、住まいなどについて。
そして、こんな話もあった。
あなたのような人物、特に女性のシェフを探していた。
なぜなら、参加者が女性だけのパーティがあり、その場所には男性の入室は禁止。
ライブキッチンができるのは女性だけだから。

そう、その国は寿司学校の時に話に聞いていたあの中東の国。
説明いただいた条件などもあの時聞いていた話と全く同じだった。


もうその時点で私はほぼ決断していた。
当初行きたかった国とは違うけれど、とても強い縁を感じた。
何かに導かれているような感覚。

そして、その日は父の命日だった。「大丈夫だよ」という声が聞こえた気がした。


その後、ホテルの各部門長と何回かの英語での電話インタビューを経て
あっさりと海外就職が決定した
現地での仕事や暮らしについての話はまたあらためて。

Maktub――必要な時に必要なことが起きる

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