実際にこのドラマをしたのは20年以上前のこと。
残念ながら当時のブログにも書いていなかったので、
詳細なやり取りはもう覚えていない。
確か、父の介護をはじめて実家が空っぽになってしまったため
この家を処分しようかどうか悩み始めた頃だった。
自分ではとてもつらい子ども時代だったと思っていた。
この家に幸せな思い出なんてないと思っていた。
それなのに、どうしても処分に踏み切れない。
その理由を知りたくて、サイコドラマで深堀りしていった。
その時、ひとつの情景が鮮明に浮かんだ。
お日様が差し込む和室で一つ年下の妹と一緒に畳に座って遊ぶ私。
洗濯物を抱えた母が微笑みながら私たちを見ている。
不思議だったのは、その光景を見ているのは「私」ではなくて
少し離れた場所から、その家族を静かに見つめている視点だった。
あれは本当にあった出来事なのか、
私の心が描いた夢だったのか今でもよくわからない。
でもあのお日様の匂いを覚えている。
和室に差し込むあのやわらかな光も覚えている。
あの時に感じた「幸せ」は本物だったように思えた。
結局私は家を処分しなかった。
父が亡くなったあとにリフォームして、今も私はこの家で暮らしている。
和室は和室のままで。

